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  • 執筆者の写真田村 一也

海外で日本語を学ぶ外国人の日本語コミュニケーション

前の記事で、海外にも日本語力が高い人材、N1取得者はいることを記載しました。

実際、外国人の転職支援をしていると、日本在住経験がない(正規留学や就業経験がない)外国人の方とお会いすることもあります。

ちなみに、海外在住者でN1取得者が多いのは、中国を中心に漢字圏出身者、または韓国になると思われます。

2021年12月実施の受験データを確認すると、N1受験者数が多い国は次の通りです。

【韓国】12,333名

【中国】14,803名 ※香港、マカオ除く

【台湾】11,871名


この時の、海外受験者におけるN1受験者数は44,091名なので、約88.5%が、この3つの地域になります。そのため、海外において、N1取得者がいる地域は限定的です。どこの国にもたくさんいるわけではないです。

以前、ベトナムに行った際に、現地の日系人材エージェントに話を聞いたところ、ベトナム現地において、N2取得者が日本語レベルとしては上位で、N1取得者は非常に少ないことを語っていました。

日本国外においては、日本人とコミュニケーションをする機会の方が少なくなるでしょうし、日本に来ない前提であれば、N1取得をする必要は、あまりないですよね。

私の感覚的には、前述した3カ国以外において、日本滞在経験がない外国人はN3まで取得されていたら、かなり日本語学習を頑張っている方ではないかと思います。N2取得の人材になると、現地の日本語学部等で学んでいたり、交換留学経験があったりするケースがほとんどではないかと思います。


ところで、N1取得者は、日本在住のN1取得外国人と同じように日本語でコミュニケーションが取れるのか?

あくまで私の経験上ですが、"No"だと思います。

日本語を知っている、漢字の読み書きができたとしても、日本語の発音の仕方、イントネーションは少しクセがあります。

日本人が英語を話すのと同じだと思いますが、やはりネイティブに囲まれて、普段からコミュニケーションを取っている人の方が、その言語のネイティブに近い発音に近づきます。日本語も同様に、日本人っぽい話し方になります。

海外でも、日本のアニメやドラマなどを視聴して日本語を覚えたことで、ネイティブの日本語に近い話し方をする外国人もいますが、逆に変なクセがついてしまっている人もたまに見かけます・・・アニメのキャラクターの話し方ですね。。。


今回は、日本語でのコミュニケーションについて触れましたが、もし外国人材を採用するとしたら、やはり日本在住経験が長い外国人の方が、同じ日本語能力試験の資格を持っていたとしても、流暢に日本語を話せる可能性は高いです。

一方で、海外で日本語を話せる人を採用しようとした場合、中国、台湾、韓国を除いて、高度な日本語レベルは期待しない方がよいです。専門性があり、人柄が良いのであれば、日本語力を高めるための支援をする前提で採用を検討した方がよいです。専門分野にもよりますが、専門知識の習得に比べたら、日本語力の習得の方が時間はかからないと思います。


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