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日本語が話せる英語ネイティブ人材(高度外国人材)を採用する方法

  • 執筆者の写真: 田村 一也
    田村 一也
  • 6月18日
  • 読了時間: 5分

今回は外国語の中でも最も募集要件に多い英語をネイティブレベルで話せる外国人材について共有します。

英語ネイティブ人材といえば、母国語であるアメリカやイギリス、オーストラリア、日本に近いエリアで言えばフィリピンもネイティブに近いレベルで英語を話せる方は多い。

一方で、実際に採用するとなると、「日本語も話せてほしい」というのが本音だと思う。私が普段求人情報を見ていても、「英語が話せれば採用します」という求人は、まず見かけない。仮に募集があったとしても、ITエンジニアや経営者が外国人の方で、社内公用語が英語のような、限られた企業のポジションになるだろう。

 

では、日本語が話せる英語ネイティブの人材はどこにいるのか?であるが、一つの答えとしては、JETプログラムで来日している外国人材である。このプログラムを通して、毎年5,000〜6,000人が日本に来日している。

JETプログラムは、簡単に申し上げると、日本政府が取り組むプログラムで、各自治体に派遣される英語スピーカーを海外から招聘するプログラムである。このプログラムで来日する外国人材の多くは、ALTとして学校教育における英語学習のサポートを行っている。その他、行政の国際事業のサポート(CIR)やスポーツに関する支援(SEA)も行っている。詳しくは、下記の公式サイトでご覧いただきたい。

JETとは

 

※JETプログラムの公式サイトより一部抜粋


また、「ALT」「CIR」「SEA」の2024年度における内訳は次の通りである。

職種

人数

全体に占める割合

ALT(外国語指導助手)

5,373人

約91.7%

CIR(国際交流員)

479人

約8.2%

SEA(スポーツ国際交流員)

9人

約0.15%


ちなみに、民間企業でもALTの派遣を行う事業を行う企業はあるが、政府プログラムでは、民間企業が得意とする都市圏ではない、地方自治体が多く、本州から離れた島などに派遣されていることもある。CIRに関しては、地方自治体の姉妹都市との交流や国際イベントに関わる業務に従事されるケースがあり、担当する外国人の方は海外パートナーとの交渉や調整、あるいは海外向け広報、SNSによる情報発信などの仕事をされているのを見かけます。SEAは、私の記憶の限り、ほぼお会いした記憶はなく、JETプログラムで来日される方々の中でも非常にレアな存在として、”ユニコーン”と呼んでいる方もいらっしゃいました。

 

では、彼らの日本語力はというと、残念ながら精緻なデータは現状見当たらないので、わからないです。

ただし、ALTを担当されている方々は、N2〜N1レベルの日本語力を保有されていることが多いです。JETの外国人は、どのような仕事であれ、周囲は日本人の方々ばかりであるため、日本語でコミュニケーションを取る機会が多く、来日期間によっては高い日本語力を習得されていることもあります。そして、CIRの担当者になると、ALTよりも日本語力が高いことが多く、N1レベルの高度な日本語力をお持ちです。

 

なお、JETプログラムに参加される多くの外国人の方々のご経歴ですが、大学にて日本語を学ばれていることも多く、来日前も日本語力を活かせる仕事に就いていることがあります。その結果、法人営業経験を持っている方は、正直多くはいらっしゃらないように思います。もし日本語が話せる英語ネイティブの人材を採用するとしたら、例えば面接にて実際のコミュニケーション能力を確認していただきながら、ポテンシャルで法人営業を任せ、育成していくというのが、採用に至りやすいパターンではないかと思います。また、前述の通り、CIRの担当者でSNS運用を行っていたり、多少なりデジタルマーケティングに関わる知見をお持ちの方もいらっしゃいます。ただし、BtoBマーケティングではないため、海外(英語圏)向けのマーケティングにおいても、面接にてロジカルに考えることができるか、数字に強いかなどを確認していただきながら、ポテンシャルでの採用になると思います。

 

そして、彼らをいつリクルーティングしやすいのかですが、この記事を書いているまさに今かなと思います。JETプログラムは最大5年を上限に毎年1年ごとに更新する契約社員となりますが、多くは年明けから春にかけて次年度更新するかどうかの確認があります。ただ、4年目から最終年度にかけては少し早く、前年11月頃に契約更新の確認があったりもします。いずれにおいても8月末が契約終了のタイミングであり、契約更新をしない外国人の方々は春頃から転職活動に動き出します。そして、6月頃から応募を始め、夏休みに向けて最終的な追い込みを行い、9月から新たな職場で仕事を始めるというスケジュール感で動くことが一般的ではないかと思います。そのため、秋から冬にかけてJETプログラムで来日している英語ネイティブ人材を採用しようと思っても、転職マーケットで実際に転職活動をされている方は、ほとんどいないのではないかと思いますし、契約期間の都合、すぐには退職できないという状況だと思います。

 

今回は、日本語が話せる英語ネイティブ人材として、JETプログラムで来日している高度外国人材の方々について、情報共有させていただきましたが、特定の層の外国人によっては、採用がしやすいタイミングがあったりもするので、日本語が話せる高度外国人材の採用をご検討されていらっしゃる企業様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談くださいませ。

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