日本にいる外国人が”どこから来ているのか?”について考える際に注意しておきたいことは、
今現在住んでいる外国人の出身地域に関する割合と、
今現在増えつつある新規外国人流入者の出身地域は異なる傾向があることである。
まず、現在日本に住んでいる外国人の出身地域について見ていきたい。
[1]中国:716,606名(26.0%)
[2]ベトナム:432,934名(15.7%)
[3]韓国:409,855名(14.8%)
[4]フィリピン:276,615名(10.0%)
[5]ブラジル:204,879名(7.4%)
※()カッコ内は日本で生活する全外国人の中での割合
※2021年末時点
この中で、「永住者」はどれくらいの割合を占めているのだろうか。
[1]中国:296,660名(41.4%)
[2]ベトナム:20,206名(4.7%)
[3]韓国:73,037名(17.8%)
[4]フィリピン:135,300名(48.9%)
[5]ブラジル:112,890名(55.1%)
※()カッコ内は各国日本滞在者の中での割合
※2021年末時点
フィリピンとブラジルは、「永住者」の割合が多いことがうかがえる。
これは歴史的な観点で、過去に日本に移住した人が「永住者」となっていることが考えられる。
一方で、近年増加傾向にあるベトナムに関しては、まだ日本滞在歴が長い方が少なく、「永住者」の割合は低い。
では、今度は「留学」生が、どれくらいの割合を占めるのか見てみよう。
[1]中国:96,594名(13.5%)
[2]ベトナム:46,403名(10.7%)
[3]韓国:8,616名(2.1%)
[4]フィリピン:1,600名(0.6%)
[5]ブラジル:443名(0.2%)
※()カッコ内は各国日本滞在者の中での割合
※2021年末時点
「留学」ビザを持つ留学生は、今後「技術・人文知識・国際業務」のビザに切り替え、
新たに日本で働き始める可能性を持つ外国人材である。
今現在住んでいる外国人の出身国とは異なる傾向があることがわかる。
留学生に関しては、前述した国に含まれないところでいうと、ネパールやインドネシアなどが上位に入る。
このように、時間と共に、来日する国や地域は変わるのである。
企業の採用について考えると、
例えば、フィリピン人材を新卒で採用するのは非常に難易度が高い。
フィリピン人は、基本的に英語を使用することができる。
そのため、日本の大学や大学院では英語で授業を受けていることが多い。
それゆえ、留学生として日本にいても日本語が苦手であるケースは多い。
これに対して、「永住者」としてのフィリピン人は多いため、
もしフィリピンへの進出を検討する際に、その地域に詳しい人材を採用したいと考えるのであれば、
中途採用で採用を検討した方が、採用できる可能性を高めることができる。
このように、どのような国や地域の外国人が、
どのようなビザを持って、どのくらい日本にいるのかを知ることは、
外国人を狙って採用するうえで、非常に重要な情報になりうる。
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